【過去問解説】筑波大2022〔数学〕
- 諒介 高橋
- 10月28日
- 読了時間: 4分
Aレベル → 教科書例題レベル~教科書演習問題レベル
・問題集の例題のような易しい問題
・教科書の演習問題のような基本的な問題
・入試でよく見かけるありきたりな典型問題
Bレベル → 入試標準レベル(教科書発展問題レベル)
・頻出ではなくとも基本的な手法で解ける問題
・工夫が必要な問題だが誘導が丁寧な問題
・理解力が問われる問題
・計算がやや煩雑な問題
Cレベル →入試発展レベル
・工夫が必要で自分で方針を見つけ出す問題
・様々な手法を用いる問題
・計算がとても煩雑な問題
Dレベル → 難問レベル
・高度な思考力が要求されるような問題
・方針を立てにくい問題
総合評価
2021年と同様、選択問題が4題。(2020年まで5題)。難易度は落ち着き入試基本問題ばかりに。時間の余裕はあるため、しっかり落ち着いて、図示や論述を丁寧に行いたい。
〔1〕座標:Bレベル(30min以内で完答したい)
図示でイメージができたかどうか。
筑波大は全体を通して、図示が必要な問題が多い。しっかり必要に応じて手際よく図示しながら状況を把握したい。
(1)Aレベル(5min)
接線の公式に当てはめれば容易。
(2)Bレベル(10min)
「円と放物線が接する」の問題パターンは色々あるが、今回は難しいこと考えず「2曲線が接する」条件を立式できれば解ける。しかし、いつもの微分で立式するような形ではないので、手間取った人もいるかも知れない。
(3)Bレベル(15min)
(2)でpをtで表しているので、同様に面積をtで表して関数の最大最小へ。
そうすると分数関数の最大最小になるため、相加相乗平均の不等式で最小値を求める。
〔2〕確率・対数:総合Bレベル(20min程度で解答したい)
(1)Aレベル(6min)
状況を把握するための具体化問題。容易。
(2)Aレベル(6min)
確率漸化式を立式するだけ。状況も平易なものなので、演習していた人は簡単だっただろう。「筑波は確率を出題しない」は嘘になった。
(3)Bレベル(8min)
特性方程式のタイプの漸化式。解くのは容易。
求めた一般項を与えられた不等式に代入して、それを解けばよい。
しかし、log_{10}3が近似値ではなく、不等式で表されているタイプなので、nの両端を不等式で挟んでnの候補を絞る必要がある。数年前から京都大学などでこの形式を出題し始めている。地方国公立に降りてくるのもそろそろか。
〔3〕ベクトル(平行四辺形):総合Bレベル(20min程度で完答したい)
(1)Aレベル(6min)
言われた通り立式するだけ。
t:(1-t)の向き(場所)を書き間違えないように。
(2)Aレベル(4min)
不安になるぐらい簡単。
(3)Bレベル(10min)
kを3まで持っていくのが大変。(1)でやったことを繰り返すだけだが、図が小さいと情報が見にくく、途中で自分が何をやっているのか分からなくなりそう。
(1)と(2)までで時間の余裕はあるはずなので、丁寧に処理したい。
〔4〕微積分(面積):総合Bレベル(25min以内で解答したい)
(1)Bレベル(14min)
C1=C2を立式して、文字定数を分離し、解の個数に帰着させよう。
f’(x)の符号を調べるのが少し面倒。計算ミスしないよう丁寧に処理しよう。
(2)Bレベル(11min)
面積を求めるために図示が必要だが、まともに図示してたら終わらない。(1)の内容をもとから上下関係だけは求められるため、スムーズに立式しよう。
〔5〕微分(法線/最大値):総合Bレベル(30min以内で完答したい)
(1)Bレベル(10min)
法線の方程式を求めるときに、傾きを求めてやろうとすると分母に文字が来るため「0」か「0じゃないか」の場合分けが必要になり記述が面倒。ベクトルで立式できるといいね。
(2)Bレベル(10min)
「大きい方から小さい方を引いて、正であることを示す」のパターン。
正負が分かるまで微分して、いつも通り記述するだけ。
(3)Bレベル(10min)
絶対値があるため、正負で場合分けが必要。その後、増減表を書くが、正負をまとめて書くようにしよう。あくまで同じグラフなので増減表を分けるのは良くない。
ここで、最大値の候補が2つ出てくるため、これの大小を比較するのに(2)を使う。思いつかなくても最大・最小の候補を出すところまでは確実にできるように。
〔6〕複素数平面:総合Bレベル(30min程度で完答したい)
(1)Aレベル(5min)
実部/虚部に条件がついている場合は、複素数zのまま計算するのは条件を反映させにくい。そのためz=a+biとおこう。
(2)Bレベル(5min)
(II)の同一直線上を立式できるかがポイント。そのうえで、方程式を解くことができるかが合否を分けるであろう。
(3)Bレベル(20min)
「wの式をzについて解く→(2)の条件式に代入して満たす図形を求める」のいつもの流れの問題。(2)の数式も2つあるので計算が少しめんどくさい。その上で、(1)の条件を忘れないようにしないといけないため、満点が取りにくい問題だろう。
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