「丸暗記はなるべくしない!理解して覚えよ!」
イーズ化学のモットーです。
丸暗記を減らせば、化学が一気に得意になります!
このシリーズでは、
1. 丸暗記を減らすための理論知識
2. 暗記のコツ・勉強法
をときどき紹介していきたいと思います!
今日のテーマは「ハロゲンの反応」です!
〇ポイントは電気陰性度・水素結合!
電気陰性度とは、
共有結合の共有電子対を引き付ける強さのこと。
周期表の右上に行くほど大きく、F原子が最大。
(希ガスは共有結合しないので値を持たない)
ハロゲンの反応の多くは、電気陰性度を考えることで説明できます!
周期表の上に行くほど、電気陰性度が大きいので、
F > Cl > Br > Iの順番です。
次に、分子間力についての復習です。
分子間力:ファンデルワールス力・水素結合の2つ。
①ファンデルワールス力:
すべての分子間に働く弱い引力。分子量が大きくなるほど強くなる。
②水素結合:
HとF,O,Nをもつ分子間に働く強い引力。F,O,Nの電気陰性度が大きいために生じる。
ハロゲン元素のうち水素結合を生じるのは、F原子のみ!
だから、Fの化合物は変な性質を示します!
では、実際の反応を見ていきましょう。
〇酸化反応
酸化力の強さ:
電気陰性度の順番と同じなことに気づきましたか?
酸化とは電子を奪う反応。電気陰性度が大きければ、電子を奪う力も強いはずです!
〇水素との反応
では水素との反応を見ましょう。
ハロゲン元素をXと書いています。
ハロゲンの酸化数に注目すると、0→-1と変化しているので、酸化反応が起きたと言えます。
反応の様子:
フッ素→ 冷暗所で爆発的に反応
塩素 → 光により爆発的に反応
臭素 → 加熱と触媒により反応
ヨウ素→ 加熱と触媒によりわずかに反応
フッ素は酸化力が強いので、激しく反応が進みます。
塩素は混合しただけでは反応せず、光(エネルギー)が必要となります。
臭素、ヨウ素は加熱と触媒が必要となります。
〇水との反応
フッ素:
塩素・臭素:
ヨウ素:反応しない
フッ素だけ反応が異なることに注意!
酸化数に注目するとフッ素は0→-1と変化し、酸化反応が起きていることが分かります。
しかし、塩素と臭素では、0→-1(HX)と0→+1(HXO)の2つの変化が起こります。
これは、ハロゲン原子が電子を分け合っただけで、酸化反応とは言えません(不均化反応と言います)。
フッ素は酸化力が強いために、酸化反応が起こり、
その他のハロゲンは酸化反応を起こすことができません。
〇ハロゲン化水素HXの酸の強さ
ハロゲン化水素は水中で電離して、水素イオンを生じるので酸性の化合物です。
酸の強さ:
HF→弱酸
HCl,HBr,HI→強酸
フッ化水素だけ弱酸の理由は、①結合距離、②水素結合です。
①結合距離
F,Cl,Br,I原子の最外殻はそれぞれL殻、M殻、N殻、O殻です。
なのでHとの結合距離はHF < HCl < HBr < HIの順番になります。
距離が近いほど結合は強くなるので、Hが離れにくくなるわけです。
②水素結合
HFは、他のHF分子や水分子と水素結合するので、電離が起こりにくくなります。
<数理進学予備校イーズ WEBサイト>
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