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【過去問解説】筑波大2017〔数学〕

更新日:5月28日

Aレベル → 教科書例題レベル~教科書演習問題レベル

・問題集の例題のような易しい問題

・教科書の演習問題のような基本的な問題

・入試でよく見かけるありきたりな典型問題


Bレベル → 入試標準レベル(教科書発展問題レベル)

・頻出ではなくとも基本的な手法で解ける問題

・工夫が必要な問題だが誘導が丁寧な問題

・理解力が問われる問題

・計算がやや煩雑な問題


Cレベル →入試発展レベル

・工夫が必要で自分で方針を見つけ出す問題​

・様々な手法を用いる問題

・計算がとても煩雑な問題


Dレベル → 難問レベル

・高度な思考力が要求されるような問題

・方針を立てにくい問題


総合評価

2015年よりやや容易、2016よりやや難化。発展レベルの問題が多くあった。


6題中5題を選択解答の場合、制限時間(120min)に対して問題量が多く計算もボリューミーである。まともにやると大問1つぐらいが解き終わらない可能性が高い。

まずはじめに、解けそうな問題、解けなそうな問題をしっかり把握して、合格点を目指したい。


〔1〕座標・最大:Bレベル(20min程度で完答したい)


(1)Aレベル(5min)

放物線同士の交点を求める問題。基本問題。


(2)Aレベル(5min)

2点を通る直線の方程式を求める問題。

傾きを求めるときに符号に注意するぐらいで基本問題。


(3)Bレベル(10min)

点と直線の距離公式を使い、分数式の最大・最小に帰着する問題。

IAIIB頻出の「分数式の最大・最小なら相加相乗平均」が思いつくかどうか。


〔2〕微分(3次関数):総合Cレベル(30min以内で解答したい)


(1)Bレベル(10min)

条件式が多くなり、計算力が求められる問題。

図示をしながら、問題文のどの条件を立式したか、どの条件をまだ使っていないかを冷静にまとめながら解く必要がある。途中解答の「c=0,β=1/2,m=1/4は①を満たす」という記述が抜ると減点。満点を取るのが難しい。


(2)Bレベル(20min)

誘導が丁寧なため、ひとまず何をすればいいかに迷うことなはないだろう。

そこから不等式を変形していくと、文字の値がどんどん決まり、答えになる。


解答の最後に書いてある、図形的な考察も理解しておこう。

さらに余談だが、1984年の筑波大にほぼほぼ同じ問題が出題されている。


〔3〕数列(漸化式)・整数:総合Bレベル(20min程度で完答したい)


(1)Aレベル(8min)

漸化式を変形するだけ。「漸化式を解く⇔パターン問題に帰着する」だけを覚えている人は逆に難しく感じてしまったかもしれない。頭を柔らかくして考えよう。また、どこまで証明するか悩んだ人もいるかも知れない。解答では、帰納法を使わず少し雑に記述している。おそらく出題者が(1)で聞きたいのは式変形ができるかどうかだろう。(2)でわざわざ「帰納法を用いて証明せよ」と書いてあるから、(1)は適当でいいか、という気持ち。


(2)Aレベル(7min)

帰納法のテンプレート通りに記述して終了。

解答では合同式を用いているが、「bkの1のくらいの数が2である」⇔「bk=10l+2 (lは自然数)」とおいてやっても全く問題ない。


(3)Bレベル(5min)

年号問題。「1のくらいの数」⇔「10で割った余り」であることに気づき、「余りは必ずループする」ことから余りの規則性を探す。そうすると余りについて等差数列になっていることがわかり、一般項を求められる。


〔4〕高次方程式・微積分:総合Bレベル(30min程度で解答したい)

(1)Aレベル(10min)

相反方程式であるから「x+1/x=t」とおく。知っていれば容易。今回は解がきれいであるから、通分して気合で解を見つけて筆算でも可能。


(2)Bレベル(13min)

ただ微分して増減表を書くだけ。ただ、極値の値を求めるときに一工夫が必要。

この式変形を思いつくかどうかで大きく差がついたであろう問題。めんどくさい値を求めたいときには常に頭をフル回転させて、楽する方法はないか、計算ミスが減るような解法はないかを考えよう。


(3)Aレベル(7min)

ただの積分計算。ここまで来て計算ミスしないように。


〔5〕数列(格子点)・極限:総合Cレベル(25min以内で完答したい)


(1)Bレベル(5min)

格子点をガウス記号を用いて表す問題。ガウス記号に慣れ親しむか、類題の経験がないと混乱しただろう。


(2)Aレベル(10min)

格子点の基本問題。(1)が全く関係していないので、(1)が解けなくても部分点が狙える。


(3)Cレベル(10min)

ガウス記号とその極限の問題。

「ガウス記号⇔不等式で挟む」ことと「不等式とともに出てくる極限ならはさみうち」というポイントを発想のもとにして式変形を頑張る。


(1)ができたかどうかで大きく点数に差がついた合否を分けたであろう問題。


〔6〕複素数平面(円):総合Cレベル(30min以内で完答したい)

(1)Aレベル(8min)

複素数のなす角を求めるから、「(w2-w1)/(w5-w1)を求める」ことにきづけるかどうか。


(2)Bレベル(10min)

問題文の条件を数式にしながら、図形的考察も必要な融合問題。

自分で図示が必要な上に、誘導も少なく解きにくい。


(3)Bレベル(12min)

ここまでの条件から、w2を基準とした相対位置が分かる。

つまり他の文字をw2で表し、計算していく。


今年はここまで図示が必須の問題がなかったが、この問題は図示必須であり、図形的考察も深いレベルで必要。

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