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【過去問解説】筑波大2025〔数学〕

Aレベル → 教科書例題レベル~教科書演習問題レベル

・問題集の例題のような易しい問題

・教科書の演習問題のような基本的な問題

・入試でよく見かけるありきたりな典型問題

Bレベル → 入試標準レベル(教科書発展問題レベル)

・頻出ではなくとも基本的な手法で解ける問題

・工夫が必要な問題だが誘導が丁寧な問題

・理解力が問われる問題

・計算がやや煩雑な問題

Cレベル →入試発展レベル

・工夫が必要で自分で方針を見つけ出す問題​

・様々な手法を用いる問題

・計算がとても煩雑な問題

Dレベル → 難問レベル

・高度な思考力が要求されるような問題

・方針を立てにくい問題


総合評価

2024年と同様、選択問題が4題。難易度は昨年度より大きくあがり、特にIAIIBの分野で入試発展問題も出題されていた。新課程になり、整数の扱いが不安だったが、がっつり出題されている。丁寧に論述していると時間の余裕はなく、質・量ともに昨年度より難しくなった。


〔1〕三角関数・整数:Cレベル(30min)

(1)Aレベル(7min)

問題文の条件にn=1とn=2を代入するだけ。容易。

(2)Cレベル(9min)

(1)の条件を角度について解いて、式変形を進める。

この色変系が厄介。①’をr倍することで、共通項が出来て変形が進むことに気づけるかどうか。

さらに、過程(a/π)が無理数を使いたいと思って式変形を続ければ矛盾が導ける。

途中で計算がややこしくなるので、しっかりと目標(a/πが無理数を上手につかう)ことを意識しよう。

(3)Cレベル(7min)

計算のポイントは、「nには整数という条件があるが、rには条件がなく使いにくい」ため「rの消去」を考えるところ。

(4)Cレベル(7min)

(3)まで条件が出ていれば、r=3,8は出てくるだろう。

ただし、これはあくまでも候補(n=1とn=2のときに条件を満たすことしか確認していないため)であるから、代入して確認しよう。


〔2〕微分・三次方程式・整数:総合Bレベル(35min)

(1)Aレベル(10min)

文字定数分離をして、いつも通りやるだけ。計算ミスしないよう注意。

(2)Bレベル(10min)

ひとまず、解と係数の関係を立式してみる。あとは、文字消去を順番に行えばbで表すことはできただろう。bのとりうる範囲については「(1)のpの範囲」を考えるだけで終わらせないように。cについて解いたときの「ルートの中が正」も忘れずに立式しよう。

(3)Bレベル(10min)

「2乗を割ったあまりは限られる」ことに着目すれば解ける。類題「a^2+b^2=c^2を満たすとき、a,bの少なくとも一方は3の倍数」を解いたことがあれば解きやすかったと思われる。


〔3〕座標:総合Cレベル(30min)

(1)Bレベル(8min)

「円と直線が接する」に対するアプローチは2つ。「中心と直線の距離が半径」か「連立して重解」。どちらでも構わないが、基本的には「中心と直線の距離が半径」の方が楽なことが多い。

(2)Bレベル(12min)

Hのx座標を「内分の公式から求める」「l1とl2の交点として求める」ことをし、それらを等号で結ぶ。

発想は単純だが、計算がめんどくさい。l2の方程式を求めるときに(1)の置き換えとして求めるなど工夫してスピーディに答案にしよう。

(3)Cレベル(10min)

「m1×m2=-1」を示せばいいが、まともに代入して計算するのはナンセンス。次数下げを上手に使うと訳文で消えるため、まともな代入なしでも解ける。

最後の外接円は、直角が分かれば、ABが直径になることから求められる。


〔4〕複素数平面:総合Bレベル(25min)

(1)Aレベル(7min)

絶対値があればとりあえず2乗したくなるはず。計算すればいいだけ。容易。

(2)Aレベル(8min)

(1)よりzはきれいな極形式z=a(cosθ+isinθ)でおけるため、代入して計算するのみ。

(3)Bレベル(10min)

z+2iも(2)と同様に計算するが、絶対値がついているため「中身の正負を判断」する必要がある。

この中身の正負の判断方法が秀逸。相加相乗平均で2より大きいことが分かるため、それぞれの絶対値が外れる。


〔5〕微分・極限:総合Bレベル(30min)

(1)Aレベル(8min)

計算するだけ。計算ミスしないよう注意。

(2)Bレベル(10min)

「極値を持つ」なら「f’(x)=0が解を持ち、なおかつその前後で符号が変化する」ことを示せば良い。

範囲がゴツいので、見にくければ「logx=t」と置くと多少見やすくなるか。

(3)Bレベル(12min)

見た目の圧迫感はすごいが、結局は等比数列の和を求めれば良いだけ。

計算ミスしないように丁寧に処理したい。



〔6〕微積分(回転体の体積):総合Bレベル(30min)

(1)Aレベル(8min)

微分して増減表を書くだけ。

(2)Bレベル(10min)

「大きい方から小さい方を引いて、正であることを示す」でも良いが、解答のように、0<x<5を式変形することでも求められる。計算含めてこっちの方が楽。

また、後半は「この不等式を使って示す」ことを前提に考えたい。そこで「両辺0~5で積分する」と言う発想になる。

(3)Bレベル(12min)

回転体の体積を求め、tについての2次関数が出てくる。

いつも通り平方完成をするが、ここでの問題点が「α/5が定義域に対してどの位置にいるのかが分からない」こと。そこで(1)と(2)をうまく使い、範囲を求めれば、頂点が定義域に含まれることが分かるので、最小値(頂点のy座標)を計算する。


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