【過去問解説】筑波大2025〔数学〕
- 諒介 高橋
- 11月1日
- 読了時間: 4分
Aレベル → 教科書例題レベル~教科書演習問題レベル
・問題集の例題のような易しい問題
・教科書の演習問題のような基本的な問題
・入試でよく見かけるありきたりな典型問題
Bレベル → 入試標準レベル(教科書発展問題レベル)
・頻出ではなくとも基本的な手法で解ける問題
・工夫が必要な問題だが誘導が丁寧な問題
・理解力が問われる問題
・計算がやや煩雑な問題
Cレベル →入試発展レベル
・工夫が必要で自分で方針を見つけ出す問題
・様々な手法を用いる問題
・計算がとても煩雑な問題
Dレベル → 難問レベル
・高度な思考力が要求されるような問題
・方針を立てにくい問題
総合評価
2024年と同様、選択問題が4題。難易度は昨年度より大きくあがり、特にIAIIBの分野で入試発展問題も出題されていた。新課程になり、整数の扱いが不安だったが、がっつり出題されている。丁寧に論述していると時間の余裕はなく、質・量ともに昨年度より難しくなった。
〔1〕三角関数・整数:Cレベル(30min)
(1)Aレベル(7min)
問題文の条件にn=1とn=2を代入するだけ。容易。
(2)Cレベル(9min)
(1)の条件を角度について解いて、式変形を進める。
この色変系が厄介。①’をr倍することで、共通項が出来て変形が進むことに気づけるかどうか。
さらに、過程(a/π)が無理数を使いたいと思って式変形を続ければ矛盾が導ける。
途中で計算がややこしくなるので、しっかりと目標(a/πが無理数を上手につかう)ことを意識しよう。
(3)Cレベル(7min)
計算のポイントは、「nには整数という条件があるが、rには条件がなく使いにくい」ため「rの消去」を考えるところ。
(4)Cレベル(7min)
(3)まで条件が出ていれば、r=3,8は出てくるだろう。
ただし、これはあくまでも候補(n=1とn=2のときに条件を満たすことしか確認していないため)であるから、代入して確認しよう。
〔2〕微分・三次方程式・整数:総合Bレベル(35min)
(1)Aレベル(10min)
文字定数分離をして、いつも通りやるだけ。計算ミスしないよう注意。
(2)Bレベル(10min)
ひとまず、解と係数の関係を立式してみる。あとは、文字消去を順番に行えばbで表すことはできただろう。bのとりうる範囲については「(1)のpの範囲」を考えるだけで終わらせないように。cについて解いたときの「ルートの中が正」も忘れずに立式しよう。
(3)Bレベル(10min)
「2乗を割ったあまりは限られる」ことに着目すれば解ける。類題「a^2+b^2=c^2を満たすとき、a,bの少なくとも一方は3の倍数」を解いたことがあれば解きやすかったと思われる。
〔3〕座標:総合Cレベル(30min)
(1)Bレベル(8min)
「円と直線が接する」に対するアプローチは2つ。「中心と直線の距離が半径」か「連立して重解」。どちらでも構わないが、基本的には「中心と直線の距離が半径」の方が楽なことが多い。
(2)Bレベル(12min)
Hのx座標を「内分の公式から求める」「l1とl2の交点として求める」ことをし、それらを等号で結ぶ。
発想は単純だが、計算がめんどくさい。l2の方程式を求めるときに(1)の置き換えとして求めるなど工夫してスピーディに答案にしよう。
(3)Cレベル(10min)
「m1×m2=-1」を示せばいいが、まともに代入して計算するのはナンセンス。次数下げを上手に使うと訳文で消えるため、まともな代入なしでも解ける。
最後の外接円は、直角が分かれば、ABが直径になることから求められる。
〔4〕複素数平面:総合Bレベル(25min)
(1)Aレベル(7min)
絶対値があればとりあえず2乗したくなるはず。計算すればいいだけ。容易。
(2)Aレベル(8min)
(1)よりzはきれいな極形式z=a(cosθ+isinθ)でおけるため、代入して計算するのみ。
(3)Bレベル(10min)
z+2iも(2)と同様に計算するが、絶対値がついているため「中身の正負を判断」する必要がある。
この中身の正負の判断方法が秀逸。相加相乗平均で2より大きいことが分かるため、それぞれの絶対値が外れる。
〔5〕微分・極限:総合Bレベル(30min)
(1)Aレベル(8min)
計算するだけ。計算ミスしないよう注意。
(2)Bレベル(10min)
「極値を持つ」なら「f’(x)=0が解を持ち、なおかつその前後で符号が変化する」ことを示せば良い。
範囲がゴツいので、見にくければ「logx=t」と置くと多少見やすくなるか。
(3)Bレベル(12min)
見た目の圧迫感はすごいが、結局は等比数列の和を求めれば良いだけ。
計算ミスしないように丁寧に処理したい。
〔6〕微積分(回転体の体積):総合Bレベル(30min)
(1)Aレベル(8min)
微分して増減表を書くだけ。
(2)Bレベル(10min)
「大きい方から小さい方を引いて、正であることを示す」でも良いが、解答のように、0<x<5を式変形することでも求められる。計算含めてこっちの方が楽。
また、後半は「この不等式を使って示す」ことを前提に考えたい。そこで「両辺0~5で積分する」と言う発想になる。
(3)Bレベル(12min)
回転体の体積を求め、tについての2次関数が出てくる。
いつも通り平方完成をするが、ここでの問題点が「α/5が定義域に対してどの位置にいるのかが分からない」こと。そこで(1)と(2)をうまく使い、範囲を求めれば、頂点が定義域に含まれることが分かるので、最小値(頂点のy座標)を計算する。
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