【過去問解説】筑波大2020〔数学〕
- 諒介 高橋
- 10月28日
- 読了時間: 4分
Aレベル → 教科書例題レベル~教科書演習問題レベル
・問題集の例題のような易しい問題
・教科書の演習問題のような基本的な問題
・入試でよく見かけるありきたりな典型問題
Bレベル → 入試標準レベル(教科書発展問題レベル)
・頻出ではなくとも基本的な手法で解ける問題
・工夫が必要な問題だが誘導が丁寧な問題
・理解力が問われる問題
・計算がやや煩雑な問題
Cレベル →入試発展レベル
・工夫が必要で自分で方針を見つけ出す問題
・様々な手法を用いる問題
・計算がとても煩雑な問題
Dレベル → 難問レベル
・高度な思考力が要求されるような問題
・方針を立てにくい問題
総合評価
2019年とほぼ同じ難易度。問題もいつも通り。
発展らしい問題はないが、全体的な難易度は前年とほぼ変わらず。
6題中5題を選択解答の場合、制限時間(120min)に対して問題量が多く計算もボリューミーである。スムーズに進めば解き終わるだろうが、やや時間が足りなくなるだろう。
まずはじめに、解けそうな問題、解けなそうな問題をしっかり把握して、合格点を目指したい。
〔1〕座標:Bレベル(20min以内で完答したい)
図示でイメージができたかどうか。
筑波大は全体を通して、図示が必要な問題が多い。しっかり必要に応じて手際よく図示しながら状況を把握したい。
(1)Aレベル(5min)
三角形の面積を2通りで表して等号で結び、内接円の半径を求める標準的でよくある問題。容易。
(2)Aレベル(8min)
円と直線の方程式を連立して交点を求めるだけ。計算もそこまで煩雑ではないので確実に得点したい。
(3)Bレベル(12min)
問題文の内容をどう立式するかで合否が分かれたであろう問題。
Eのy座標をどんなに式変形しても2rにならず時間を無駄にした人も多いのではないか。(2)で出たEのy座標はあくまでも赤い円とlが交わる条件。赤い円が三角形ABCに交わるという条件が抜けていると解けない。自分がどの条件を使っていて、どの条件を使っていないのかを整理しながら進める必要のあるいい問題。
〔2〕座標・三角関数:総合Bレベル(20min以内で解答したい)
(1)Bレベル(9min)
問題文の状況を図示して、計算すればとりあえず答えは求められるであろう。このときのポイントは、垂直をベクトルを用いて「内積=0」で立式するところ。座標なので、「傾き同士を掛けたらマイナス1」でも良いが、ベクトルのほうが記述が楽で速く求められる。
また、この問題では「文字で割るなら0でないことを確認」し、「求めた答えが条件を満たすか吟味」する必要があり、現役生は特に、満点を取るのが難しかったのではないかと思われる。
(2)Bレベル(9min)
(1)の答えが出ていれば、単なる計算問題。
(1)で解答の吟味をしてない場合、不等式の分母を払うタイミングで場合分けなどをしてしまい、無駄に時間がかかった人もいるのではないか。
〔3〕座標・数列(和):総合Bレベル(25min以内で完答したい)
(1)Bレベル(10min)
図形列の問題では、状況をいかに早く掴むかがポイント。n=1,2ぐらいまで実験して、それでも掴めなければ追加でn=3,4もやる。ここまでを以下にスピーディーにできるかが大切。
(2)Aレベル(7min)
(1)が求められていれば容易。ただし、x_nを代入して求めるのではなく、x_nのまま答えを求めて、最後に代入したほうが計算ミスが減る。
(3)Aレベル(8min)
等差×等比のシグマの解法を覚えていれば容易。計算ミスしたら猛反省。
〔4〕曲線・微分・積分:総合Bレベル(30min程度で解答したい)
(1)Aレベル(8min)
ただの計算問題。sinθcos2θはいろいろな解き方が考えられる。解答の様に「和積/積和の公式」で次数を下げるがおすすめ。「倍角の公式でバラしてから、倍角で次数を下げる」でもいいが時間がかかり計算ミスも増える。筑波大受験生だと和積を覚えてない人も多いが、覚えよう。
(2)Bレベル(10min)
筑波大では頻出の媒介変数のグラフ。6段重ねの増減表で丁寧に図示しよう。
(3)Aレベル(10min)
特に今回は単調なグラフのため、素直に立式して、(1)の結果を当てはめればよい。
〔5〕数列・極限:総合Bレベル(25min以内で完答したい)
(1)Aレベル(7min)
具体化するだけ。
(2)Aレベル(10min)
よくある「規則を見つけて帰納法で一般項を求める」タイプ。文字定数cが入っているが、やることは変わらない。
(3)Bレベル(8min)
普通に通分すればよい。その後は、いつもの部分分数分解で和を求めるだけ。これも文字定数cが入っているが、丁寧にやればok。普段の部分分数分解の問題演習で、省略して書いていたり、雑に求めていたりすると間違えやすいので、普段から丁寧にやって時間内に終わるようにしよう。
〔6〕複素数平面:総合Bレベル(25min程度で完答したい)
(1)Aレベル(10min)
いつもの式変形。これ出来なかったらやばい。
(2)Bレベル(15min)
「w+wバー」が実数であることに気づいて、A,Bが複素数平面上でどこにいるかわかるのにどれぐらい時間をかけたかが大切。さらに、今回は90°があるため、図形的な性質にきづければ一瞬。図示が雑だったりすると解けないいい問題。
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